わたしのマチじかん[6]

イメージ:わたしのマチじかん[6]

「赤ワインと白と緑で」

 普段の食事は「コメ」を軸としている。なんていいながらも、時々無性にピザ食べたい!とか、今日はラーメンにする!などと食欲発動することがあるから、結局お米じゃないものも食べてるわけだけど。衝動的に決めてるものなのかなあ、食事って。そんな中、今日は地下をぷらりぷらり。さて何を買って帰ろうかな。入口からかわいいスイーツ、いい匂いのコロッケ、お惣菜が私を攻めてくる。中華?おにぎり?から揚げ?天ぷら?ああ、揚げものってどうしてこんなにワクワクするんだろう。ついお供のビールを想像させる。
 キョロキョロ目移りして決められないまま、惣菜エリアのはずれの方まで来てしまった。黄色の小さな店が目に入る。あれ?こんなお店あったかなあ。覗いてみるとラザニアなどが並んでいる。最近食べてないなと、心がキュンと鳴る。ん、ちょっと待って。「ボロネーゼ」がカウンターでも食べられるみたい。しかもメニューにはワインも!ああ、ボロネーゼってなんでこんなに魅力的なんだろう。肉だけでなく野菜もたっぷりのトマトソース。しかも大好きなフェットチーネ!というところで、もう席に座っていた。
 注文すると、まずは「もっきりワイン」。日本酒のように惜しみなく下の皿にこぼれるまで赤ワインが注がれていく。もうこれだけでテンション爆上がり。着席してから10分もたたずにメインもそろった。ああ、ワインと合って最高!ここで気軽に本気のボロネーゼが食べられるとは思ってなかった。食べている後ろから「この時間、お買い得になっております!」と他店の魅力的な声が聞こえてくる。食べているにもかかわらず、また買い物したくなるこの性分。
 はぁ~お腹いっぱい、と立ち上がる。そのまま電車に乗ろうかと思っていたが、途中でお花の香りに気付いた。食欲が満足すると心に余裕がでるって、こういうこと? その香りに引き寄せられて、人が行き交う花屋にふらり。駅ビル地下にあるという利便性はもちろんだけど、かしこまった感じがないのがよい。壁にずらりと並べられた花たちのなかから、「えーっと、そうだね。うちには、君と君にきてもらおうか」などと自分で手に取って選ぶ楽しみ。鮮やかな花の中から、小さな白い花が咲く大きめの枝物と、合わせてシックな白の花を選んだ。派手な色を選びたくなる日もあるけど、今日はきっとこういう日。それらを連れて歩くだけで、何となく「女子感」アップしている気がする。もちろんただの自己満足世界なのだが。
 白と緑の花木を片手に、足取り軽い帰り道。ご機嫌なのは、ついおかわりしたワインのせいか花のおかげか。

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エッセイスト 金澤佑樹
金澤佑樹エッセイスト

旅エッセイスト・ライター。札幌の魅力に取りつかれ、関東から移住して4年目の札幌観光大使。札幌を中心に、北海道内をあちこち旅してエッセイを執筆している。